
みなさんこんにちは!電マニ先生(@denshimanifest)です。
2026年1月に施行された廃棄物処理法施行規則の改正は、産業廃棄物の処理を外部へ委託している事業者の方にとって、一度は内容を確認しておきたい重要な法改正になっています。
主な内容は、「排出事業者が、どのような情報を、誰に伝えるべきか」ということが、これまで以上に明確になったという点です。
特に、化学物質を含む廃棄物を扱っている場合は、従来の感覚のままでは対応が不十分となる可能性もあります。
この記事では、排出事業者の立場から見た今回の改正ポイントを、実務の流れに沿って分かりやすく整理していきますね。
目次
なぜ今、排出事業者の「情報提供」が注目されているのか

近年、産業廃棄物の処理現場では、事前の情報不足が原因と考えられるトラブルや事故が問題視されています。
• 想定していなかった化学反応が発生した
• 処理工程に入ってから性状の違いが判明した
• 現場作業員の安全確保が難しくなった
こうした事例を背景に、環境省は「排出事業者が把握している情報を、きちんと処理業者へ伝えること」が事故防止の鍵になると整理しました。
今回の改正は、その考え方を制度として明確にしたものといえます。
排出事業者に求められる対応の全体像
今回の改正を一言でまとめると、
「情報提供は、やった方がいいことではなく、やるべきことになった」
という点にあります。
排出事業者が意識しておきたいポイントは、主に次の3つです。
• 廃棄物に関する情報を、処理委託前に整理する
• その内容を、処理業者に分かる形で伝える
• 契約書にも、その前提が分かるように反映する
順番に見ていきましょう。
処理委託前に整理しておきたい「廃棄物の情報」
排出事業者が処理業者へ伝えるべき情報には、特別な書式や難しい表現が求められているわけではありません。
重要なのは、
「安全に処理するために必要な情報がそろっているか」
という視点です。
例えば、次のような内容が該当します。
• 廃棄物の種類や名称
• どの工程から発生したものか
• 危険性や有害性の有無
• 取り扱い時の注意点
これらは、排出事業者であれば把握しているケースがほとんどです。
問題になりやすいのは、「分かっているけれど、伝えていない」という状態です。
情報の確認にも、処理業者への伝達にも便利なのが「廃棄物データシート(WDS)」です。伝えるべき内容の項目がしっかりと記載されているので、便利ですよ。
環境省のHPからダウンロードできるのでぜひご活用ください。
廃棄物情報の提供に関するガイドライン | 環境再生・資源循環 | 環境省
化学物質を含む廃棄物の場合に注意すべきポイント

廃棄物に化学物質が含まれる場合は、より丁寧な情報整理が求められます。
特に意識しておきたいのが、
• 特化法(特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律)
• 化管法(PRTR制度に基づく法律)
との関係です。
化管法に基づき第一種指定化学物質に該当する場合、PRTR制度で把握している情報は、廃棄物処理においても重要な判断材料になります。
「PRTRの届出は別の話」と切り分けるのではなく、廃棄物処理の情報提供にもつながる情報として整理しておくと安心です。
どの排出事業者が対象になるのか?
ここで一つ、よくある誤解を整理しておきましょう。
今回の改正で、処理委託契約書に化学物質の名称や量(割合)まで記載しなければならないのは、すべての排出事業者ではありません。
① 対象となる排出事業者の条件
対象となるのは、次の条件をすべて満たす排出事業者です。
まず前提として、化管法(PRTR制度)に基づく届出対象事業者、いわゆる「第一種指定化学物質等取扱事業者」であることが必要です。
そのうえで、PRTR制度により排出量や移動量を把握すべき第一種指定化学物質が、廃棄物に一定以上の割合で含まれている、または付着している場合が該当します。
ここでいう「一定以上」とは、
廃棄物の重量に占める第一種指定化学物質の割合が1%以上(特定第一種指定化学物質の場合は 0.1%以上)
である場合を指します。
これらの条件に該当し、その廃棄物を処理業者へ委託する場合には、処理委託契約書の中で、当該第一種指定化学物質の名称や、量または含有割合を情報として伝達する必要があります。

【出典】環境省:有害廃棄物の適正処理に係る情報伝達について
② 対象外となるケース
PRTR制度の対象外の事業者や、対象物質が上記の基準未満である場合には、この「名称・量(割合)の記載義務」には該当しません。
ただし、適正処理に必要な情報を提供する義務そのものは、従来どおり排出事業者に求められている点には注意が必要です。
処理委託契約書の見直しで押さえておきたい点
今回の改正では、処理委託契約書の内容にも影響があります。
① 契約書のどこを見直せばよいのか?
ポイントは、「適正な処理を行うために必要な情報を提供する」という前提が、契約書から読み取れる状態になっているかどうかです。
必ずしも、
• 特定の条文番号
• 決まった文言
が求められているわけではありません。
本文に記載する方法もあれば、別紙や覚書として整理する方法もあります。
自社の契約書の構成に合わせて、情報提供に関する考え方が明確になる形を意識しましょう。
② 既存契約でも注意が必要な理由
今回の法改正の対象ではない排出事業者の方も多いと思います。
対象でなくても、契約書の法定記載事項が追記変更されておりますので、新規契約や、契約の再締結のタイミングに合わせて、新しい書式に変更をすることをお勧めします。
継続契約でも見直しが必要になるケースとは
「新しく契約を結ぶわけではないから関係ない」と思われがちですが、今回の改正は既存の処理委託契約にも関係します。
継続契約の場合でも、次回の更新時までには、本改正の対象事業者は改正内容を踏まえた見直しが必要になる可能性がありますので事前に確認しておくことが大切です。
◆継続契約の場合:次回契約更新時に契約の再締結または覚書の締結を実施
これを機に、
• 現在の契約内容は実態に合っているか
• 情報提供に関する記載は十分か
を確認しておくと、後々の対応がスムーズです。
情報提供は「リスク対策」として考えましょう
情報を整理したり、処理委託契約書を見直したりと聞くと、 少し手間が増えるように感じるかもしれません。
しかし今回の改正への対応は、 単なる事務作業ではなく、 トラブルを未然に防ぐための「リスク対策」と考えることができます。
① 情報共有のメリット
実際に、事前に情報を整理し、処理業者と共有しておくことで、
・想定外のトラブルを防ぐ
・処理業者との認識のズレをなくす
・万が一の際にも、状況を説明しやすくなる
といったメリットがあります。
② はじめの一歩として対応すること
・現在使用している処理委託契約書を一度読み返してみる
・自社の廃棄物の内容を、第三者に説明できるか考えてみる
この2点を確認するだけでも、 今回の法改正に対して、 自社がどこまで対応できているかを把握するきっかけになります。
まとめ|情報を整理することが、信頼につながる

今回の廃棄物処理法改正は、排出事業者に新しい役割を押し付けるものではありません。
「分かっている情報を、きちんと伝える」その積み重ねが、安全な処理と企業の信頼につながっていきます。
制度をきっかけに、日頃の廃棄物管理を一度見直してみる。
そんな姿勢が、これからのスタンダードになっていきそうですね。
~「自社の場合はどう対応すべき?」と感じたら、ぜひご相談ください~
今回の法令改正に関して、より詳しい解説や自社への影響整理が必要な場合は、
コンサルティングスタッフまで、どうぞお気軽にご相談ください。
リンクイノベーションズでは、産業廃棄物の専門スタッフが、
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電話 045-663-0800 e-mail info@linkinno.jp
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